この数年ほど、学生の間にブラックバイトがはびこり、授業・テスト・サークル活動等の学生生活に支障をきたすようになっています。テスト期間中であっても休めずにシフトに入ることを強要されて、単位を落としたり、留年したりする人も少なくありません。
なぜ近年になってブラックバイトが増えてきたのでしょうか。一つには、企業側の変化があります。20年ほど前まで、ほとんどの学生アルバイトは正社員の補助にすぎませんでした。しかし現在、企業は学生アルバイトを戦力化し、基幹的な労働力として位置づけることが増えました。また、学生側の生活状況の変化もあります。全般的に学費が高騰し、仕送りは減少し、奨学金も不十分なため、生活費の一部をバイトに頼らざるを得ない現状があります。
一方で、こうしたブラックバイトやブラック企業が問題化し、社会的な制裁の動きが現れ始めています。今年に入ってからようやく厚生労働省が動きだし、ブラック企業の企業名公表開始、塾業界に対する違法行為の是正要請、過重労働撲滅特別対策班による「ABCマート」の書類送検などが話題になりました。
また、昨年に立ち上がった私たちブラックバイトユニオンでも、すでに労働相談は600件を超え、「グローバルワーク」「ローリーズファーム」などで有名な大手アパレル・アダストリアにおいて自腹ルールを是正し、個別指導塾最大手の「明光義塾」に対しては、2000を超える教室における労働環境の調査を要請し、調査を実施させました。
このような動きをさらに本格化するため、ブラックバイトユニオンでは「ブラックバイト・ハンティング」キャンペーンを開始します。ブラックバイト・ハンティングキャンペーンでは、ブラックバイトが生じるメカニズムと有効な対策を研究し、ブラックバイトの情報を広くリサーチするとともに、ブラックバイトの摘発サポート・改善に乗り出します。
そこでブラックバイトユニオンでは、ブラックバイトを摘発・改善するための学生ボランティア(ブラックバイト・ハンター)を募集します。